離婚時の合意事項3 「財産分与」「慰謝料」 共有財産はきちんと算定して、分与の方法を決めておきましょう。
 結婚している間に築いた財産、例えば、マイホーム、預貯金などは夫婦の「共有財産」です。夫婦が共同で築いたものであるため、離婚時に清算して分けることになります。その割合は、一般的には、夫婦で半分に分与すべきと考えられています。

● 「財産分与」を決めるために、どんな財産があるのかを明確にして、それぞれの金額を算定しておく必要があります。財産分与の対象となるものは、夫婦が協力して築いたと認められる財産およびこれに準じるもので、次のようなものがあります。
1.現金、預貯金、有価証券、生命保険 2.不動産(住宅ローンなどの負債も対象になる) 3.自動車、家財道具 4.会員権 5.退職金、年金、恩給(いずれも受領ないし支給が決定したもの)
● いずれか一方の名義になっているものでも、結婚している間に夫婦の協力によって得たと考えられる財産であれば分与の対象になります。ただし、夫婦いずれかの特有財産であると認められるものは、財産分与の対象にはなりません。これには次のようなものがあります。
1.独身時代から保有していた財産 2.相続・贈与などによって得た財産 3.衣服など、個人のものと考えるのが一般的であるもの
財産分与の請求権には時効があり、離婚の時から2年で権利が消滅してしまう(民法768条)ので注意が必要です。離婚するときに、共有財産のリストと算定金額を明確にしたうえで、分与方法をきちんと決めて、離婚協議書や公正証書を作っておきましょう。また、財産分与についても、養育費と同様に財産を保全する権利が認められています。夫婦の一方が勝手に財産を処分してしまうおそれがある場合には、家庭裁判所に財産保全の申し立てをすることができます。
結婚生活での精神的ダメージに対する損害賠償が、「慰謝料」です。
 離婚にともなう「慰謝料」は、夫婦の一方による不貞・暴力・悪意の遺棄などの不法行為で結婚が破綻した場合に、それによって被った精神的苦痛に対する損害賠償として支払われるものです。 不倫が離婚原因になった場合には、不倫の相手方にも請求できる場合があります。従って、このような不法行為がない場合は、慰謝料を請求することはできません。

●慰謝料の金額は、一般的に100万円〜500万円といわれていて、裁判によって決定したものでは200万円〜300万円が大半を占めています。

●裁判等の法的手段で慰謝料を請求するためには、明確な証拠が必要となります。証拠となるような事柄はしっかりと記録しておきましょう。また、「不法行為による損害賠償の請求権」は、(1)行為のあったときから20年、もしくは(2)「損害の事実」と「加害者」を知ったときから3年で、請求権が消滅すると民法724条で定められていることにも留意する必要があります。
話し合いによって慰謝料の金額が決定した場合には、一括で支払うのか分割にするのか、支払い期間はいつまでにするのか、など詳細な合意事項を離婚協議書か公正証書に記載しておきましょう。